Hebidas ヘビダス  ヘビの病気マニュアル

P45 下痢

 下痢というのは、大便がやわらかくて水っぽく、たいていはくさい匂いを発している状態を指す。ヘビの下痢の原因は、嘔吐の原因と似ており、両方の症状が併発することも多い。嘔吐やその他の健康問題の場合と同じように、下痢の治療法の第一は、環境を改善することである。症状が長引くようなら、医学的な対策をとる必要がある。何回か検便や胃洗浄をすると、原生動物や後生動物の寄生虫が発見できるかもしれない。また、大便を培養したり感受性検査をすると、軟便の直接あるいは間接原因となった細菌を発見できるかもしれない。病原体が特定できたなら、適切な殺寄生虫薬や抗生物質を使って、それらを除去することもできるだろう。
 獣医なら失われた水分を補給し、体調回復のための補助的なケアもおこなってくれるだろう。時として、飼育環境の温度が上がっただけでも下痢になることがある。しかし、治療は早めにおこなったほうがよい。致命的とは言わないまでも、とても深刻な問題へと発展することがあるからだ。1991年、フライはヘビの体重にもとづいてKaopectateを直接投与するとよいとアドバイスしている。筆者は小型ヘビの場合、体重1kgに対して1ミリリットルの割合で投与してうまくいったことがある。なお、下痢症状が治まるまでは、治療のために必要な時以外はヘビに触らないように。[脱水症状の項目も参照のこと]
 主に魚や両生類を餌として食べているヘビの場合は、やわらかくてくさい匂いのする大便をするのが普通である。ヘビの餌をマウスに替えれば、すぐに固くて匂いの少ない大便へとかわるだろう。
 ※通常のヘビの大便は、濃い茶色か黒色で、かなり固いものである。白い部分は尿酸であり、ヘビの尿路にとっては普通に生成されるものである。それ以外の変色には気をつけたほうがよい。

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