Hebidas ヘビダス  ヘビの病気マニュアル

P77 過熱

 ヘビが直射日光にさらされた後、もしくは、暑い日に枕カバーのような移動用袋に入れられていた後などに、口をあけたままケージのなかをやみくもに動き回っていたら、すぐさまヘビを日の当たらない場所に連れて行き、冷たい流水に浸すこと (もちろん頭部は除く)。この処置は多くのヘビの命を救ってきた。こうした緊急措置にたよらなくても済むように、適切な移動手段を用いること。[「ヘビを移動させる時には」の章を参照してほしい] ケージのなかに水の入った大きなボウルを置いておけば、ケージが熱くなりすぎた時にヘビを救う第一次防衛線となる。ダニがいる、脱皮の準備をしている、隠れ場所がないといった理由をのぞけば、ヘビが長時間ウォーター・ボウルのなかに入っているのは、この過熱によるものであることが多い。もしペットのヘビがこうした行動をとったら、ケージ内が熱すぎないか、通気性がいいかどうか確認すること。あなたが目を離している隙に、直射日光がケージに当たっているのかもしれない。暖房パッドが偶然ひっくり返ってしまった、あるいは故障したのかもしれない。同様に、もし複数のケージが積み重なっている場合、下にあるケージの照明が、上にあるケージを危険なほど温めてしまうこともある。
 冷水治療をほどこした後、爬虫類専門の獣医のところに連れていって、殺菌電解液や、もしくはステロイド剤を注射してもらってもいいだろう。筆者たちは、小型ヘビに対して、体重1キログラムに対し5ミリグラムのデキサメタゾンを、一日に2回筋肉注射して、治療に成功したことがある。また、ヘビのなかには過熱された後、何日も弱っている場合がある。そのヘビはゆっくりと回復するか、もしくは死に至ることもある。

ヘビの病気マニュアル 目次に戻る

トップページに戻る

inserted by FC2 system