Hebidas ヘビダス  ヘビの雑学277

・ヘビが言おうとしていること
 ヘビが自分のことを話してしたんじゃないか…と思ったことはないだろうか? ジギー・ブラムは冗談まじりにこう語っている。「わたしが飼ってる6匹のヘビがお腹を空かせている時、わたしが部屋に入っていくと、みんな急に振り向くんです。まるで檻から脱走したり、ネズミをたらふく食べる計画を練っている時に、わたしが来たので、『しっ…彼女が来たぞ』って言って、慌てておしゃべりを止めたみたいな感じですね」
 いや、ヘビたちは別にあなたのことを話しているのではない。そうではなく、あなたに向かって話しかけているのだ。もちろん、手話ではないし (手がないのだから)、狼煙でもない (ヘビも飼い主も火遊びをするべきではない)。しかし、ヘビは彼らなりの合図を持っている。もしあなたがそれを理解すれば、あなたとヘビはお互いにコミュニケーションすることができ、前よりもっとすばらしい飼い主とペットになれることだろう。 (家族・友人・他人から疑わしそうな目で見られることは言うまでもないが)
 以下に、ヘビの行動とその意味を記してみよう。
 ・しゃっくり…大丈夫。僕は時々しゃっくりをするんだ。大したことじゃないよ。だから、僕を驚かそうとしたり、僕の頭をバッグで叩くような、バカな真似はしないでよね。
 ・舌を前後に出し入れする…ねえ、何かおもしろい物を見つけたよ。見て!
 ・口を閉じたまま攻撃する。その後、体を平たくする… (たいていの場合)向こうへ行って!
 ・口を開けて呼吸する…やばい、なんか病気みたいだ。多分、呼吸器系じゃないかな。じっと突っ立ってないで、何とかしてよ。
 ・常に頭を横に傾けて、上のほうを見ている…だから、本当に病気だって言ってるじゃん。 (ヘビがこの姿勢をとった場合、これは“スターゲイジング (星を眺めること)”と呼ばれており、治療不可能な病気 (炎症性腸疾患)に関連した重度の神経兆候と見なされている)
 ・常に水の入ったボウルに入浴している…ここはすごく暑いね。 (あるいは)こうすれば、ダニを溺れさせられるかも。 (あるいは)僕の隠れ場所をどこにやったの?
 ・犬が後肢で立っておねだりするように、 (コブラではないヘビが)コブラのように身を持ち上げて周囲を見回す…ねえ、ここはおもしろい場所だね。向こうに何か餌があるかな?
 ・舌うち…呼吸器系に問題があるかもしれないね。そうじゃないかもしれない。何かまずいことでも?
 ・日光浴をする…日焼けするつもりじゃないよ。ただ、体温を上げてるだけさ。
 ・マウスに対して何度も攻撃し、すぐに引き下がる…本当はお腹は空いてないんだ。でも、遊ぶのは大好きさ。
 ・マスキング (匂いを分泌する)…嫌な気分だ。僕が嫌な気分の時には、あんたも嫌な気分にさせてやるからね。 (やはり、ヘビも人間とそれほど変わらないということだ)
 
・ヘビは自分でケージの模様替えをする
 ヘビ・スタイルによるインテリアの模様替え。もしヘビがケージの備品を移動させているのを見たら、多分そのヘビは「こっちのほうがいいよ」と言っているのだ。だが、その理由はなんだろう?
 チャールズ・モッシャー氏によれば、もしヘビが隠れ場所 (ハイド・ボックス)を別の場所に移動させたとしたら、ヘビはその場所の温度が気に入ったということらしい。「ヘビの行動を注意深く観察すること。ヘビはあなたにメッセージを送っているんです。それも楽しみの一つですよ」
 氏は続けてこう述べる。「飼い主はペットのヘビに対して驚くほど無頓着です。飼い主がヘビに気をつかうべき時に、ヘビは人間に向かって『僕らがわざわざこんなことをしなくちゃいけないの?』と問いかけているのです。ヘビのメッセージを理解して、その要望にしたがって行動するようにしましょう」
 そして、彼は皮肉っぽく付け加えた。「もし飼い主がヘビよりも頭がよければ、ちゃんとできることだと思いますよ」
 
・どうしてヘビはケージに鼻先をこすりつけるのか?
 ヘビがケージに鼻先をこすりつけているのを見たら、ヘビにティッシュを渡す必要はない。別に花粉症にかかっているわけではないからだ。鼻のこすりつけ行動には、多くの理由がある。最大の理由は、そのヘビが脱皮の準備をしているということである。他の理由は(たいていヘビが脱走する出口を探していることと関係しているのだが)飼育環境とそれぞれの個体によって異なってくる。
 ヘビが鼻をこすりつけるのは、たいていの場合ちゃんとした理由があるので、飼い主は気をつけていなければならない。ヘビが何度もそうした行動を繰り返したため、鼻先のウロコがこすれてはがれ落ちそうになっている場合には、特に気をつける必要がある。
 もしヘビが脱皮の準備をしているわけではないのなら、次のことを考えてみよう。
 ケージは大きすぎないか、小さすぎないか、暑すぎないか、寒すぎないか、湿度が高すぎないか、湿度が低すぎないか?
 ヘビは健康か? ダニはいないか? 餌を探しているのか? それまではちゃんと餌を食べていたか? 他におかしな行動はしないか? 隠れ場所は十分にあるか? 登るための木の枝が必要なのかもしれない。
 それとも、ただ単に出口を探しているだけなのか? その場所の匂いが気に入らないのかもしれない (ケージの匂いである。あなたの匂いではない)。ケージを隅から隅まで掃除して匂いを変えた後、床材を交換してもいいだろう。
 最後に、ヘビが鼻先をこすりつけるのは、“透明で固い”物質というものが理解できないのかもしれない。ヘビはガラスという概念が理解できない。なぜなら、自然界でガラスと出会うことなどないからだ。そこで、ケージの底の周囲に段ボール紙やアルミホイルや発泡スチロールなどを置いて、ケージの側面を不透明にするのも一つの方法である。
 
・ヘビはあくびをするか?
 ヘビが餌を飲み込んだ後であくびをするのは自然な反応である。それは顎の骨を元の位置に戻しているのだ。それとは別に、ヘビがあくびをするのを飼い主が報告しているが、それは、ヘビが眠い時、目がさめた時 (昼寝の後で、動き始める直前)、お腹が空いている時、誰かに触られている時 (口が開いたのを見て、飼い主は少し神経質になる)、熱源に対面した時、あるいはただ単に退屈な時などである。やはり、ヘビもまた人間と同じような生き物なのである。ただ、腕や足や髪がなく、服や宝石やメガネを身に着けていないだけなのである。
 
・ヘビに話しかけること
 正直な飼い主のほとんどは、自分たちがヘビに話しかけていることを認めている。ヘビのために話しかける者もいれば、自分のためにそうする者もいる。長年ヘビを飼っているある人物は、次のように語る。「私はヘビをケージから出す時はいつも、やさしく語りかけるようにしてます。そうすれば、私もリラックスできるし、ヘビのほうももっとリラックスできると思いますよ。『きれいだね』とか、ボアの赤ん坊に対しては『お前は丸ぽちゃでかわいいね』なんて言ったりします」 (彼が話しかける相手がオスで良かった。これがメスの場合なら、『君は丸ぽちゃだ』なんて言われたら、発言者に咬みついても当然だと考えることだろう)
 ヘビに話しかけることは、ヘビをリラックス (あるいは侮辱)させるだけではなく、他の目的もある。複数のヘビを飼っているある人物は、オスがメスと交尾している時に、オスをはげますと言う。「うまくいけば、オスヘビは僕の声援に応えてくれて、数ヶ月後には有精卵が手に入るかもしれないし」
 まあ、あなたがヘビに話しかけたとしても別に心配する必要はない。でも、もしヘビの返事が聞こえるようになったら…。
 
・ペットのヘビに名前をつけるべきか?
 「当然だ」と答えるヘビ好きの飼い主は大勢いる。しかし、そうは思わない者も多い。なぜならヘビには耳がなく、気にもしないので、わざわざ名前をつけるなんて意味がないと考えているからだ。しかし、ある人物はインターネットに次のように投稿していた。「他の人と話す時に、“僕のアルビノのカリフォルニアスネーク”とか、“僕の黄色のブルスネーク”とか言うのが嫌なんだ」
 彼はまた、ヘビに名前をつけないと、ヘビが下等なペットだというイメージを助長させて、ますますヘビがそういう目で見られてしまうんじゃないかと述べている。「僕がペットの名前を言うと (『これはシェルドン。僕のペットのガラガラヘビだよ』)、相手が興味をもってくれるんだ。特に子供はヘビについての質問をしてくるよ。 (『本当にシェルドンっていう名前なの?』)」
 おそらくヘビに名前をつける最大の理由は、中西部に住むあるヘビ好きの人の言葉に表されているだろう。「もしヘビを飼っているなら、一匹一匹に名前をつけることです。そうすれば、彼らはあなたの友達になるからです」

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