Hebidas ヘビダス  ボールパイソン大百科

P227  繁殖の頻度

 交尾・産卵をしたボールパイソンのメスは、翌年にも交尾・産卵をすることができる。ブログハマーの報告によると、7年連続で産卵したメスがいるそうだ。我々自身も、3年連続で有精卵のクラッチを産んだメスを何匹か見たことがある。

 1997年のゴーズラの調査データによると、自然捕獲した64匹のメスのうち(ほったらかしになっていた3つのクラッチも、3匹のメスとしてカウントしてある)、49匹(76.6%)が妊娠もしくは産卵の経験があった。このデータは、連続して繁殖をおこなうメスが自然界にいるという証拠になるかもしれないが、たまたま調査をおこなった年に、餌が豊富で恵みの雨も多かったために、このような高い数字が出たのだと解釈することも可能である。妊娠していないメスの数も多く、メスは1年ごとに、あるいは不規則に、あるいはその必要がある時だけ、繁殖しているのではないかという可能性も残されている。

 我々は1年おきに繁殖させるのを好んでいる。事情によっては、連続してメスに繁殖をおこなわせるような急ぎの場合もあるが、それによって問題がおきるといったことはない。とは言え、我々の観察したところ、1年おきにメスを繁殖させた時のほうが、肉体への負担が少なく、より大きなクラッチを産むようである。時には、我々が今年はメスを休ませようと考えているのに、メスが自然に卵胞を成長させはじめることもある。

 

P227  クラッチの大きさ

 卵の項目でも説明したが、クラッチの大きさ(卵の数)は個体によって違い、1〜20個と幅広い。一般的に言って、年をとった大型のヘビのほうが、より大きなクラッチを産む傾向にある。ここでは、繁殖用のメスの飼育法を二種類取りあげ、その結果産まれるクラッチの大きさ及び卵の総数を比較してみよう。

 できるかぎり急いでメスを成長させた場合、メスは生後2年目で繁殖可能になる。我々の観察したところ、生後2年目で初めて産んだクラッチの卵の標準数は、3〜4個である。このメスを翌年も再び繁殖させると、だいたい4〜6個の卵を産む。さらに翌年も(3回目の)繁殖させると、通常は6個以下の卵を産み、8個以上の卵を産むことは非常に稀である。さらに翌年に4回目の繁殖をさせると、最大でも6〜8個の卵を産むのがほとんどである。つまり、できるかぎり早く、かつできるかぎり多いスケジュールで繁殖させた場合、5歳のメスは最大で4回の繁殖をおこない、合計で19〜26個の卵を産むことになる。

 我々はもっと穏やかな繁殖をおこなっている。長い目で見た場合には、こちらのスケジュールのほうが得策ではないかと考えている。我々はメスが3年目になるまで(時には4年目になるまで)繁殖はおこなわないようにしている。この方法だと、初めて産んだクラッチの卵の数は通常8〜10個であり、12個産んだ例もある。翌年は繁殖をおこなわない。その翌年、メスの産んだ2回目のクラッチの卵の数は、通常10〜13個である。つまり、5歳のメスは2回の繁殖をして、合計18〜25個の卵を産むことになる。このスケジュールで飼育・繁殖されたメスは、第一の方法で飼育されたメスに比べて、かなり体が長くて大きい。さらに言えば、その5年の間に、食べる餌も少ないので、世話をする頻度も少なくてすむ。

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